AAAと。
[出逢いのチカラ](6/6)
「ねえねえ、君一人?良かったら一緒に飲まない?」
そう声をかけた俺。
彼女は少し戸惑いを見せた。
が、予想してない答えが返ってきた
「いいですよー」
彼女は可愛らしい笑顔をし、そう言った。
思わずドキッとなる。
(不意な笑顔はズルいって。)
断られると思ってたから少し嬉しくなって俺も笑顔を返した。
その後他愛もない話をして、店を出た。
分かれ道になり、別れを告げようとした時、
(あれ、名前聞いてないし、俺も言ってない)
「あ、そうだ、まだ名前言ってなかったね、俺。日高、日高光啓っていいます。」
俺がそう言った時、 彼女は驚いた様子で目を見開いた。
「ひ、日高さん…?!」
彼女はそう言う。
「あれ?もしかして、知ってる?」
知らないと思ったから正直びっくりした。
「知ってるも何もトップアーティストじゃないですか!!!」
何いってんのと言わんばかりの彼女は必死にそう言ってきた。
「そんなことないよwでもありがとう。」
恥ずかしさのあまり照れ笑いで誤魔化した。
「すぐ気づけなくてすみません…」
シュンっという効果音が似合いそうに言う彼女
「いやいや、メガネしてたし、しょうがないよw」
「自分自身そんな売れっ子だと思ってないしw」
(我ながら自虐が酷いなw)
「れ、連絡先消しますね、」
慌てて携帯を開き消そうとする彼女、
「いいよ、それは残しておいて。」
彼女の手を掴み、慌ててそう言う。
「え、でも!」
彼女が困ったように言う
「いいんだ、俺が関わりたいって思って声かけたんだし。」
「それより【君の名前教えてくれますか】?」
俺の事を知ってると知った瞬間嬉しくてAAAの歌詞と掛けて、そう言った。
(さすがにベタすぎたかな?)
あとから来る恥ずかしさが、さっきから煩い胸のドキドキと混ざる。
彼女は、あっ!と言葉が出そうな顔をする
(さすがにバレたか…)
「絢です。佐藤絢って言います!」
少し声が震えていたようにも思えた。
「絢ちゃん、おっけー。また連絡するね」
チャラ男じみた返事しかできなかったが、まだ関係を持っていたいと心から思った。
「またね!」
そう俺が言うと
「はい!」
と今日一番の笑顔で返してきた。
(だからその笑顔ズルいって)
明日からまた仕事頑張れるなあって思い、一人家へ帰宅した。
【出逢いのチカラ】 日高Side END
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