堕ちる
[くけ](1/11)
さて、ゴタゴタがあって1週間経った。祐介くんとは、婚約破棄をした。予約していた式場のキャンセル代は全額祐介くんに払わせた。
祐介くんの両親からは謝罪をされ、愚息が迷惑をかけたのでとお金を貰った。祐介くんのお母さんは、謝罪をしに来た時からずっと泣いていた。
祐介くんと佐々木さんには、両方に慰謝料を請求。佐々木さんからの応答は無かったが、祐介くんから2人分の慰謝料が振り込まれていた。
これが、あの日から1週間以内に起こったこと。
「最低すぎる……」
「それな」
相変わらずの美鈴ちゃんとのご飯会。祐介くんとの結末を話した。
いやぁ、話してスッキリした。愚痴るって大事だね、うん。
「ゆずちゃんなんでそんなサバサバしてるの」
「そう見える?実際は今すぐにでも死にたいよ」
サラッと答えた私を、驚いた顔で見つめる美鈴ちゃん。そんな見つめないでよ、照れる。
「結婚したかった相手に2度も裏切られたんだよ?祐介くんと浮気相手を部屋で見つめた日は、何度車道に身を投げようと思ったことか」
ぶっちゃけると、今だって死ねるなら死にたい。できれば、あの2人の目の前で。それで、奴らにはずっと私を忘れられないようにしてやりたい。
そんな事をつらつらと話したら、美鈴ちゃんからの返事がなくなった。
正直、張り手が飛んでくるかと思ったのに、と美鈴ちゃんを見て驚いた。
「……なんで、美鈴ちゃんが泣くかなぁ」
ポロポロと涙を零し、静かに、でも顔を顰めながら泣く美鈴ちゃん。やっぱり可愛いな、この子。とか考えてしまった。
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