ブラックミステリー
[解答](1/50)

1.
エリーはロンドンに住む学生だ。高身長でいつも髪を短くしており、いつもパンツスタイルでお洒落に興味なく、地味な女性だった。

19世紀の夏に、ノドの病気が見つかり手術をした。
術後すぐには声を出す事は出来ず、徐々にリハビリで出す事になっていた。

丁度その頃は女性だけが狙われている通り魔殺人事件が起こっていた。エリーもその事件に怯えていたが、リハビリの為に病院へ通わなくてはいけなかった。
病院からの帰り道、ふいに背後から肩をたたかれた。

心臓が一瞬、血液の循環を止めた気がした。まだ声が出ないので悲鳴を上げられなかった。
恐る恐る振り返ると自分とそこまで変わらない背丈の痩躯な男が立っていた。
全身黒い格好でマスクをし、フードを目深にかぶり顔を見る事は出来なかった。

『もしかして…通り魔?』そう思ってもエリーは助けを呼ぶ事が出来ない。恐怖で足も動かない。


     殺される


その思考が頭によぎると同時に「…すみません。友人と間違えました…。」と、男がくくもった言葉を発した。そのまま男は頭を下げ、エリーを抜き去り姿が見えなくなった。
『良かった。ただの人違いか。』そうエリーは安堵し、歩みを進めようとした瞬間、前方から女性の叫び声が自分の鼓膜まで届いた。

そしてエリーは全てを悟り、自分が助かったのだと知った。



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