親友タマのやりたいこと

プロローグ(1/3)










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『…ーーー南無阿弥陀仏、……』








「………。」





詠まれるお経が耳に入ってきて、

お焼香の匂いは鼻の奥で強く感じる。





並ぶ椅子の後ろ側に座り、前や横に座る参列者たちを見た。



その中には見知った顔も多くて、やっぱり友達が多い奴だなと、

この場に似つかわしくないことを思った。





「……。」





涙を流し、ハンカチで涙を拭う故人の家族。



俺は故人の家族とも顔見知りで、

昔よく故人の家に遊びに行けば、『ヒロ』、『ヒロくん』と呼ばれていたことを思い出した。








…あぁ、

俺は未だにこの状況を受け入れられていないんだな…。





客観的に自分を見てそう思った時、俺の礼服の袖口をクイッと引っ張られる。



引っ張ったのは俺の婚約者の村田巴恵(むらたともえ)で、俺をお焼香の列へと促した。








…えーっと、

…お焼香って…どうやるんだっけ…。





死んだじいちゃんの葬式の時のことを思い出そうとしていると、

お焼香を済ませ、故人の顔を見て自分の席へと戻る人たちとすれ違う。





涙を浮かべる者、涙を我慢している者、目を伏せ何とも言えない表情の者、


…当たり前だが、故人の顔を見て笑っている奴はいない。





笑っているのは、

祭壇に置かれたモニターに映る故人だけ。










…タマ、

…死ぬの…早くねぇか?



…ついこの間まで一緒に飯食って、

…高校の時あった恥ずかしいこととか、バカみたいに話して…笑ってたろ?









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