三日月の夜に
[幸せな結末](1/58)
朝陽side
順調に変わりない幸せな日々が
過ぎていっていた。
一緒に住み始めて1年以上が経っていた。
そんなある日、仕事が終わり駅に向かう。
少し前を歩く覚えのある後ろ姿。
なつめくんと帰りの時間が重なるなんて
珍しい。
一緒に帰れるかもしれないなんて
嬉しくなって声をかけようかと
近づこうとすると誰かがなつめくんに
声をかけている。
結構美人な女の人。
なつめくんは驚いた顔のあと嬉しそうに笑う。
その二人はとてもお似合いに見えた。
親しそうに話す二人。
するとスマホがメッセージを受けとる。
『急ですみません。ご飯食べに行くことになりました。』
と書かれたそれに、誰と?とは問えず
簡素に返す。
女性がなつめくんの腕を軽く叩いて
笑いながら歩いて視界から消えていった。
つい立ち止まっていた。
軽く背中にトン、と何かがぶつかり
見知らぬ人が「すみません。」と
歩いていく。
それにはっとして歩き出して家へと向かった。
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