三日月の夜に
[お誘い](26/26)
次のデートで不動産屋に行き、

目星をつけて実際の物件も見に行く。

4件くらい回って、二人でここがいい、

という意見が重なってあっという間に

部屋は決まった。

二人分の荷物はあるし、何より契約に

際して男二人で1LDKは怪しすぎるので

広目の2LDKになった。

そのあと二人がそれぞれ使っていた

家具・家電はどうするかなどを話し合って、

引っ越しの日取りも決めて、と色々話した。

家電に関しては僕は一人暮らし用の

安いものだったので、基本は処分して

二人暮らしになるにあたって冷蔵庫は

容量の大きいものに買いかえることにして。

家具は両方から持ち込んでも問題は

無さそうだから持っていくことになったが、

朝陽さんは

「俺の使ってたベッド、古いんだよね。

 だから、買い換えようかと思って。 

 次、一緒に見に行ってもらっていい?」

と言われて、家具屋へと足を向けた。

どんなのがいいのかな、と見ていると、

「ここら辺かな?」

とダブルより大きい、クィーンサイズの

ベッドを見ている。

目を見開いて朝陽さんを見てしまったら。

「一緒が、いいでしょ?」

と耳元で言われて真っ赤になる。

でも、嬉しくて。

こくりと頷いた。

ベッドを配達してもらえるよう手配して。

シーツなどは持ち帰る。

これからのずっと一緒にいられる

嬉しさを噛み締めながら家路についた。



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