三日月の夜に
[仕事中の憩い](1/5)
俺の名前は長谷川朝陽28歳独身。

医療品販売の営業の仕事で

病院や施設を回っている。

俺は昔から性的思考が人とは

違っている。

セクシャルマイノリティ...

ゲイだ。

職場でこの事を知ってる者は

たまたま同じ大学から

同期入社した

中谷文博[なかやふみひろ]

ただ一人。

流石にオープンには出来ない。

セクシャルマイノリティに優しい

世の中では無いことは

よく知っている。

中谷には同期だからと飲みに

行ったときにべろべろに

酔って漏らしてしまい

ばれてしまったと言うのが

本当のところだが、

どんなに酔ってもそう簡単に

漏らせる話ではない。

もともと何となく気が合い、

器のでかさを感じていたと

言うか否定されないような

予感のようなものが

あったからかも知れない。

案の定驚かれはしたものの

否定はされず、

酔いが覚めても変わりない

態度で接してくれ、

誰にもこの事をばらすような

ことはしないでいてくれている。

中谷はノーマルで絶賛ラブラブ

中の彼女がいる。

年齢からいっても付き合いの

長さからいっても結婚も

間近かもしれない。

中谷は内勤で部署は違うが

時々飲みに行く仲だ。



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