「姉さん……今日もまた…想井沢(おもいざわ)にたくさんの人が来るそうだよ。……鬼が来るね………。」
白銀の髪の毛の青年がベッドに横になっている女性にそう、意味深な言葉で話しかける。
女性はなにも喋らず、まるで作り物のような金髪をさらりと髪になびかせているだけであった……。
緑と湖に囲まれて、ポツンと建っている屋敷。
まるで絵に描かれたような美しい風景。その屋敷の2階のベランダから、青年は目の前に広がる、池を見つめた……。
「……ああ。今日もいい天気だ…。」
ザァァ…!
と、部屋に流れ込んできた強い風を受けるかのように、青年はそう呟いた。