緑の魔女、銀の神官。
第五章〜緑の魔女(1/6)
六日前のリルージュと全く様子が違っていることにアリィは驚いた。
椅子に座っていたが、頬はやつれ、髪はボサボサだ。部屋は物が散乱し荒れ放題で、何よりリルージュの目が暗く、淀んでいる。
「アリィ……?」
アリィの姿を認め立ち上がったリルージュは、次にルリミディの姿を見て叫んだ。
「今更何をしに来た、この裏切り者め!!」
「王……」
前に出かけたヒルアを止め、ルリミディはリルージュに近づいていく。
「久しぶりだな、リルージュ。大きくなったな」
「……死ね!!!」
リルージュは腰に刺した剣を抜き、ルリミディに切りかかった。
しかし、ルリミディは指一本でその剣を止めていた。
「リルージュ」
リルージュはギリギリと歯ぎしりしながら尚も剣を話さず叫んだ。
「何故父を助けてくれなかった?!」
ルリミディの顔が哀しげに歪む。
「お前がいれば、お前が父を助けてくれれば、父は死ななかった!!」
「すまない……リルージュ。全てを話そう」
リルージュが剣から手を話し、その場に泣き崩れる。
ルリミディは静かにリルージュを抱きしめた。
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