人身事故
プロローグ(1/1)
ひどく曖昧で
当然のような、日常
『ただいま、人身事故のため運転を見合わせています』
「…はあ?遅刻するんだけど」
「勘弁しろよ」
「死ぬんなら勝手に一人で死ねっつーの」
口々に発される文句と舌打ち。
出勤途中のサラリーマン
制服を着た学生
杖を着いた老人
皆が皆、表情を曇らせる。
この中の誰が想像しただろうか
度々に起こる人身事故の裏側に
悲しくて、叫び出してしまいそうな物語があるなんて
温かくて、涙が溢れそうな想いがあるなんて
当たり前とは
なんだろうか
生きるとは、一体
なんなんだろうか
人身事故
ー始ー
← *|# →
しおり
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
BACK