人身事故
プロローグ(1/1)






ひどく曖昧で




当然のような、日常










『ただいま、人身事故のため運転を見合わせています』










「…はあ?遅刻するんだけど」






「勘弁しろよ」






「死ぬんなら勝手に一人で死ねっつーの」






口々に発される文句と舌打ち。



出勤途中のサラリーマン
制服を着た学生
杖を着いた老人




皆が皆、表情を曇らせる。









この中の誰が想像しただろうか



度々に起こる人身事故の裏側に






悲しくて、叫び出してしまいそうな物語があるなんて







温かくて、涙が溢れそうな想いがあるなんて








当たり前とは



なんだろうか





生きるとは、一体


なんなんだろうか










人身事故



ー始ー






← *|# →

しおり
/217 n



⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?


BACK