上へ2nd
[第三フロア](1/16)

イキト




「……何とか勝ったな……」


エレベーター内を見回す。


真剣な表情のカイ、

相変わらず俯いて
ブツブツ言ってる白橋ユリ、

良かったですよほんとにーと
にこやかに手を叩いている瀬戸藍。


これが今のオレのグループ。



「さっきの人達……
死んじゃったの……」


白橋ユリが震えた声で呟く。


「アンタ見てたでしょ、
灯油が降ってきて
火がついた
あの部屋は燃えた」

「……っ」


カイの冷たい言い方。

でもその通りで、
オレ達に負けた奴らは
ドアの向こう側で激しく燃えた。

生きたまま燃える、
敵の姿は
とても見ていられるものではなかった。


「いやーでも
ゲームというより喧嘩でしたね」


はははと笑う瀬戸さんは
年上なのに敬語。


「私……
人を殺してまで生きたくない……」

「……それは安心しろって言ってるだろ」

「…………」

「ハルカ……勝ったかな……」

「今は信じるしかないよ」



エレベーターは上る。


ここに来てからいろいろあった。

重要なのはこれからだけど

正直、もうヘトヘトだ。






- 55 -

前n[*][#]次n
/185 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

[←戻る]