上へ2nd
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学校は、
相変わらずつまらない。



図書館で会った女子は、
あれから一度も見てない。


俺の読み方、
下手だったかな。


会えないのだから、
かくにんのしようもない。



「お前顔色悪いな、
保健室行ってこい」


とつぜん先生が言い出して、
授業中だけど教室を出る。

つまらない授業だったから、
気分は悪いけどむしろラッキーだ。


保健室で寝たことはないけど、
授業よりはましだろう。


保健室までのんびり歩く。



「ねぇせんせ
これよんで!」



足が止まる。


忘れない、あの声。


しんぞうが
ドキドキとあばれる。

くるしい。



「わかったわかった、
もう、甘えん坊ね」


保健室の先生の声。


おそるおそる、
いや
早くかくにんしたくて

ドアを開けた。



「あら、どうしたの?」


先生が立ち上がってこっちを見た。


その後ろでだまっているのは、

やっぱりそうだ、

あの子。


図書館でずっと見ないと思ったけど
ここに来ていたのだろうか。


……せんせー」

「もー、待ってて
後で読んであげるから」


やっぱりようち園児みたいな言動。

でも、


まどから差し込む

おだやかな光にあたったその子は


やっぱり


キラキラとしていて、


でも


今にも消えてしまいそうな

はかなさがあった。





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