上へ2nd
[第二フロア](1/9)



無言の空間。


エレベーターは静かに上る。




『まもなく第二フロアです』



「きた……


空気がさらに重くなる。


また、
死ぬかもしれない時がきた。

それに、これは
初めてこの人達と協力して戦うとき。



……ねぇ、主催者さん、
第二フロアのゲームは?」


答えてくれるかわからないけど、
聞いてみる。


『はい、
第二フロアのゲームは』


「えっ答えるの」
「すげえ」

2人が驚いている。



『【宝集め】です』


「宝……あつめ?
宝探しじゃなくて?」


前回は第二フロアで宝探しをした。
先に宝を見つけて、
それをゴールに運んだ方が勝ち。

それとは違う?


『はい、
宝探しではありません、
宝集めです。

詳しいルールは、
第二フロアでお話致します』


そして黙る主催者。


「宝集めって……
「ゲームって、
マジでゲームじゃん……

……ヒロキさんとホタルさんは、
宝探し得意?」


何となく、
聞いた。

話してみたかったんだと思う。


「え、いや……全然」
「わかんねぇけど……
得意とかあんの?」

「わかんない、
でも、アタシは得意だよ」

「じゃあ心強い、のか」
「まぁ苦手なよりはいんじゃ……


2人はチラチラと青羅さんを見ながら小さく話す。

青羅さんの怒りに触れたら、
また暴力を振るわれちゃうから
怯えているんだろう。

でも青羅さんはぼんやりと窓を見ていて、
こっちに気を向けてる様子はない。


……大丈夫だよ」


なんだか2人が可哀想で、
そう言ってあげる。


……なんかあったら助けてくれよ」
「で、できる限りはそうしたいけど……
「頼む」


ヒロキさんが両手を合わせる。
ホタルさんも軽く頭を下げた。


……うん……

「オレのことはヒロって呼べばいいよ、
こいつはホタルでいいし。
アンタのことは、
……ちゃん付けくらいがいいか」

「いいよ、わかった」

「おっちゃんのことは青羅でいいよ、
さん付けとかしたくないだろ」


突然青羅さんが話題に混じってきて、
アタシ達3人ともびっくりする。


「わかっ…………


ヒロがやっとのことで頷くと、
青羅さんはにっこり、笑った。



「まぁ頑張ろうぜ、ヒロ、ホタル。

第二フロア、
お前達がどんな感じか見せてくれよ」




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