上へ2nd
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学校はつまらない。



本は好き。


図書室はよく行った。


でも1年生は低学年用図書館しか
利用できない。


結局つまらない。




平仮名とかんたんな漢字だけで書かれた

『たのしいかがく』を開く。



しばらくして

視線を感じて顔を上げる。



見たことない女子。



「何」

「へんなほん。
おもしろいの?」

…………
アンタのそれよりは
おもしろいと思うけど」


多分同じく1年生のその子が持っているのは
『しらゆきひめ』。

ようち園児かよってレベルだな。



「うそだぁ」

……読んでみる?」

……………………

「読めないわけ?」

「よ、よめ……

「平仮名習っただろ?
漢字にも読み仮名ついてるし……

……せんせーといっしょならよめるもん!」

……………………



どうやら相当頭が悪いらしい。



……読んであげようか」



どうしてその言葉が出たのか

今でもわからない。



「いいの!?」


「やっぱ今のナシ」と言う前に彼女が

瞳をかがやかせて

太陽のようにキラキラと笑うから、

頷くことしかできなかった。




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