上へ2nd
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狭い密室。


上り続ける

エレベーター。



「……あいつら、帰れたかな……」


男は1人、深くため息をつく。



先程まで目の前にいた少年少女を思い出す。

自然に笑みが零れた。


「守りきった……」



しかしその笑みはすぐに崩れさることになる。




『また生き残ったな』



スピーカーから、声。

無機質であるが、僅かに楽しんでいるようにも聞こえる。


男は顔を強ばらせ目を閉じた。



『ということは、
お前にまた助かるチャンスが来たわけだ』


「やめろ……」


男は震える声で訴える。

しかしその願いは聞き入れられることはない。



『さて、質問だ。

この私、"主催者"の正体は誰か。

答えられたらお前を解放しよう』



「止めろ、
頼む
止めてくれ……」


『わからないのか?

ならば新たなゲームを始める』


「止めてくれ!!」


いよいよ男は耳を塞いで座り込んだ。



『……何回繰り返す気だ。
本当は気づいてるのだろう?

いいか
私はお前が答えるまで止めない。

お前が懺悔するまで
ゲームは繰り返す』


「…………」


男は答えない。


『やはり答えないか。
私には好都合だが』


「…………」


『せいぜい、
次のゲームで死なないようにな


青羅』



スピーカーの声が消えても、

男は耳を塞いだまま

動かなかった。




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