雨の日のいたずら
[いたずらの始まり〜after side〜](1/1)
生徒会室で生徒会の仕事をしていたら、気づいたらこんなに遅い時間になっていた。

「やべ、むちゃくちゃ遅せぇ時間じゃねぇかよ。流石に帰るか。今日中にやっとかなきゃいけねぇ仕事はもう終わらせてあるしな」

俺はそんなことをぼやきながら生徒会室を出た
鍵を返して、昇降口で靴を履き替えて顔を上げて固まった

「は?嘘、だろ?
朝あんなに腐る程晴れてたのに?何で今頃になって雨降ってんだよ

盛大にはあぁぁぁと溜息をついてしまう

朝はあんなに腐る程晴れていたのに何故か今は土砂降りの大雨だ
おまけに時折雷がなっていると来た

「しゃーねぇ、一度生徒会室に戻るか」

俺はそんなことを呟き、自分が持っている生徒会室のスペアキーを取り出し生徒会室に向かう
そして生徒会室の備品の傘をパクってから再度昇降口に向かい、これから帰ろうかと言うところで、今朝の痴漢されていた生徒を発見した

「おまe…君は今朝の

うっかり声をかけてしまった
相手は嬉しそうに話している。どうやら、こいつもいきなりの雨に戸惑い、そのまま駅までこの土砂降りの雨の中走っていくつもりだったようだ。

流石にそれはどうかと思ってしまっても悪くないと思う

「それは流石に、どうかと
生徒会室の備品だけど、良ければ一緒に入って行く?」

相手がびしょ濡れになるよりはと思って一緒に入ろうと言ってしまった
相手は少し恥ずかしそうにしていたが、おずおずと入ってきた

この時、もう少し周りを気にしておくべきだった
他の生徒が見てるかも知れないと、気にしておくべきだった


この時の俺は、何故か浮かれていたんだ
ほんの少しだけ浮かれていたんだ
だから、気づかなかった
俺達を見つめるその瞳に


- 9 -

前n[*]|[#]次n
/9 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

[←戻る]