ココアさん
[ココアさんの攻撃](1/8)



やっぱ、
部活を遅刻したことにチカちゃんが切れた。

部員たちはニヤニヤしていた。


「シノブ、お前いつからココアさんと……!?」
「隅に置けませんなぁ」
「ココアさんとかレベル高えっつの」


ランニング中だろうとパス回し中だろうとゲーム中だろうとお構いなしにいじり倒してくる。

うぜぇ。

余計にチカちゃん切れるし。俺に。



それでもまあ不思議とココアさんに対して怒りとかは芽生えなかったし、気分もよかった。

ふと体育館の大きな扉に目をやると、ココアさんは普通にドリブルしていた。

ミルクさんには怒られたのかな。


「何見ちゃってんだよ」
「大好きすぎるじゃねーか()

そしてまたいじられる。
そしてチカちゃんが怒鳴る。
至って異常中の通常。
……だと思っていた。



トシがいなくなった波紋が、あそこまで大きいとは思わなかった。






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