[崩壊する仮説](1/9)
[Side 伊丹 涼]
自室のデスクトップPCの前で、俺は今朝の出来事を思い出していた。
すべてのあとがきが『溺れて死ぬ』、に変わっていた時は、本当にびっくりして、真っ青になった。
たぶん、あのあとがきは俺に宛てられてたと思う。
でも、やっぱり先輩たちはすごい。
あんな短時間で情報を集めて、暗号を解読して、あとがきへの対抗策まで練ってしまった。
「さすがN高生、だよな」
向日葵先輩と桜井先輩の通うN高は県下の公立で偏差値トップの高校だ。
受験における偏差値の高さと頭の回転の速さに絶対的な相関関係があるわけじゃないと思うけど、そんなN高でも上位成績者の向日葵先輩の頭のキレは、やはり中学時代から群を抜いていたように思う。
そんなN高を俺も受験するんだ。
もうすぐ1月だし、ほんとはこんなことしてる場合じゃない。
終わったら、ほんとにあの2人に家庭教師についてもらわないとかもなぁ。
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