(BL)空間 U
[空間 -夢を見る日-](1/20)
 



心臓を掴まれたかと思った。


『俺だったら?』
なんてどういうつもりなのか。


(ヤバい、俺
泣きそう……)

「なに、が?」

口を突いて出た俺の言葉に、痛そうな表情をした刀根川を無視した。



「そ、うだな
…何でもない……」

今、俺は彼を傷つけたのだと自分の胸に刻む。

それは梅雨が明ける前日、いやに蒸し暑い夏に近い日…。

わずかに開けた刀根川との距離。


俺は自分を守る事を選んだ。



空間U
-夢を見る日-

君に振り返る日



暫くの沈黙を要してしぼり出すのは刀根川の硬い声音。

「教室…帰るか」

「う、ん」


窓から射し込む陽射しを感じ、
せり上がる後悔と、もう何も分からなくなった刀根川の背中を見て、
手に、酷い汗を掻いた。


そして、その全部を刀根川のせいにした。

――…シャレならもっと軽く言えよ。

俺の言葉なんて軽く流せよ。


そんな事をグルグル、グルグル、リピートさせて、
決して“軽く流せ”なかった自分のせいではないのだと、
今までの違和感全てに蓋をした。



[君に振り返る日]


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