スターダスト
[訓練](1/8)
夢をみた。
書面でしか見たことのないこの風景は、ニの星。
「ミノマエを渡すものですか!!」
ニの奴らの知識を総動員して作られた巨大な機械。
兵を率いた人間どもの動きを完全に予測し、次々と行く手を阻む。
兵は全滅だった。
「あぁ、良かった…」
2人の大人に腕に抱かれ大人しく眠る赤ん坊は、きっと俺だ。
そして肝心なその男女の顔はぼやけて見えない。
次は突如場所が変わった。ここはサンの星。
「ミノマエは俺らの子供だ!決して渡さない!」
恐るべし身体能力を備えた人々がアクロバティックな動きをしながら兵に襲いかかる。
銃声、悲鳴、なんだ。どこの星でも争いはあるんじゃないか。
そんな事を思っているうちに兵はまたもや全滅した。
涙を目に浮かべた顔のぼやけた両親らしき人に抱き締められる、赤ん坊の俺。
こんな風に、俺は守られた?
いや、まさか。
俺は両親のことを何も知らない。
物心ついた頃に俺に分かるように残されていた事実は自分が異端児である、ということだけだった。
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