スターダスト
[共同生活](1/8)



「ね、ねえ、ミノマエ君っ!」


話が終わったら、誰とも会話を交わさずすたすたと部屋を出て行く3人。

それを何となく見ていたらサンの人間、運動神経抜群(にはとても見えないが)のケイスケが恐る恐る声をかけてきた。


「このチーム、不安だね。」

「あぁ、俺も不安しか感じないよ」

「良かったあっ同じ事思ってる人がいて。あの3人怖いよね、特にアルトさん。だからイチの人と関わりたくなかったんだよ!」

「いかにも実力主義って感じだよな。」



俺はケイスケと共に集合場所に向かうことにした。

アースは馬鹿デカいから一つ一つの施設が遠い。

ボックスっていうアース内にいくつものルートをもつ公共交通機関が移動手段の基本だ。


「あ、一番前の席、レイさんじゃない?」


見るとすれ違う人々に頭をさげられ、それににこやかに返す黒髪の美人の姿が。

彼女の笑顔を受けた後の男らの情けない顔といったらない。


「有名人みたいだな。」

「すごく綺麗だもんね。僕は最近アースに派遣されたからここの事情は知らないんだけど。」


そういうケイスケの言葉に、思えば俺もアース内の自分がやっている仕事内容の他は何も知らないことに気付いた。

今の生活に全く不満を持っていなかったから気付かなかったが、自分は他のアースにいる奴らとは違い世間を知らない閉ざされた空間にいるのか。


だって俺は、異端児であるから。



「ミノマエ君?」


我にかえる。


アナウンスが降りる場所を告げる。



「何でもない。次だ、降りよう。」



らしくないことを考えた。

に出ると色々と考えが変わるのか。

流されないようにしなければ。








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