渡りの果て 後編

 493 アゴルの憂鬱 その二 1/2 

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結局、翌朝、マーティン様と一緒に新選組を後にした


確かに『一年だけ』と約束はしていましたが、ひろ先生の様子は判らず、沖田さんの治療も途中で、心残りなことばかりだ


大阪まで送って下さった永倉さんが、しょげる私を励まして下さった


「とにかく、ひろの事は俺達に任せておけ

アゴルは帰国したら、日本での勉強の成果を待ってる患者が大勢いるんだろ?」


そうです・・・そうですが・・・


ルーク様にマリア様、お子様のエイブラハム様、他たくさんの先生方や友人へのお土産を積み込み終え、船は岸を離れた


永倉さんが、大きく手を振って見送って下さっている・・・


私も手を振りかえしますが、胸の内は、このまま日本を離れていいのだろうかと不安でいっぱいだ


ホントに、ひろ先生に何も告げぬまま、このまま別れても後悔しないだろうか・・・


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/1915 n

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