1/1 月灯り そう言ってミゼルは顔をうつ向いたまま震えていた 「他の方法だってあるはずだろう?」 レイドはチェストの上にあった鍵付きの本を読み始めた しばらく読み少しため息をついた 「ヴァンパイアの城に行けば、これより詳しい本を探せるだろう」 ヴァンパイアの世界の本はサキュバスの世界をしのぐほどあるという そこならば何かしら手掛かりも見つかるだろうと考えたのであった レイドは呪文を唱えるとゆっくりと淡い光に包まれていった 夜の魔界はこの上なく不気味な赤い月が照らしていたそれはまるでこの先に起こる何かを予見しているかのように… |