家族のカタチ(1/26)
「私が、先生の家族になっても……いいのかな?」
小さく呟くような 私の言葉に、先生が勢い良く顔を上げた。
それから、
「もちろん。」
嬉しそうに、力強く頷いた。
っっ、
今、そんな笑顔は反則です。
鏡を見なくたって分かるくらい、きっと真っ赤になってる。
妙に恥ずかしくて、顔を隠そうとすると、引き寄せられてしまう。
「前言撤回は認めないから。」
ね?と、更に顔を近付けてくる。
っ、…絶対ワザとだ。
翻弄されっぱなしなのが、少し悔しくて、
チュッと、触れるだけのキスを不意打ちでしてみた。
目を瞬いて、少しだけ驚いたような先生を見て、やったと声を上げそうになる。
だけど、すぐに後悔することに…
一瞬の事で、頭で理解するのに数秒。
いつになく激しくなるキスに、
息苦しさと、恥ずかしさで、思考回路がショートしそうになる。
っっ、せんせ…
声を出そうにも、先生が許してくれない。
「大人をその気にさせた罪は重いから。」
と。
先生が許してくれるまで、私の声は出せなかった。
p.395
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