憂鬱な影(1/24)
「一緒に入る?」
「は、入りません!」
そんなやりとりをして、先生がお風呂へ。
広い部屋で、私1人になった。
改めて見ると、本当に物が少ない。
寂しい部屋…
先生は1人で何を考えてたのかな?
やっぱり、寂しかったのかな?
じゃ、今は?
今は寂しくないといいな。
……ジャラッ
金属音が足元から聞こえてくる。
こんな風に歪んでしまったのは…
先生の想像もできない辛い過去のせい?
それとも……
バタンっ
ドアの音、先生が出てきた?
ジャラジャラと鎖の音を立てながら、ドアの方へ行くと、開いた。
「せんせ……」
ドアの方へ向かっていた足が止まる。
……先生、じゃない。
だれ……?
p.265
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