先生は何がしたいの?(1/21)
ここに来て、何日経ったのかな?
1週間くらいだと思うけど、もっと長く感じてしまう。
ずっと、いるような……そんな感覚。
夜中にいつの間にか眠っていたのか、人の生活音で目が覚めた。
あの家では、もう絶対にない事。
私以外いないから、生活音で起きるって事はない。
先生のキーボードを打つ音……
誰かがいる音って、何だか安心するんだ。
……先生だから?
他の誰かだったら、こんな状況の中で、きっと安心なんかできない。
「コーヒー淹れたけど、飲む?」
目が覚めた事に気付いたのか、キッチンに移動する先生。
「……うん。」
よく分からない感情に戸惑いながらも、頷いた。
先生のいたソファーに座ると、目の前に出された 良い香りのするコーヒー。
砂糖2本と、フレッシュが置かれていた。
「…すごい、
よく分かりましたね。」
砂糖とフレッシュを入れながら、先生の方を見ると、得意げな表情を浮かべる。
「雛の事なら何でも分かるから。」
……それはそれで怖いです。
でも、最初の頃より恐怖を感じなくなった…?
慣れって怖い。
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