変態?いいえ、これは恋です
[理由](1/32)




あの後すぐに亮さんの部屋を後にして一度自分のアパートへ戻った。

身支度をしている間も考えるのは亮さんのこと。
亮さんの部屋に泊まった、合鍵まで渡された、
もうそれが嬉しくて嬉しくて顔がずっとニヤけっぱなしだった。



今日のお昼ももちろんあのカフェに行く予定。
だって四六時中亮さんのこと眺めてたいもん。
ちなみに、うざがられるかなっていう考えなんて私には微塵も無い。






お天気もいいしルンルンでナナちゃんをランチに誘う。



しかし
「今日お弁当持ってきたから」
という冷たい一言で撃沈した私はお昼になるとひとりでカフェに向かった。










「亮さんっ」



今日もアルバイトの子にカウンターへ誘導されて席につく。
昨日と同じく真剣な顔で厨房に立つ亮さんに控えめな声で声をかけると、亮さんはチラリとこちらを見た。



キリのいいところでこちらに歩いてくる亮さん。
今朝も会ったのに、どうやら私の体は亮さんを欲していたらしい。
亮さんが一歩近付く度に胸が高鳴る。



うん、今日もカッコイイ。
そして初めて話した時より表情が柔らかくなったのは気の所為じゃないはず。
それだけ私に気を許してるってこと。
それがまた嬉しい。



私の目の前まで来た亮さん──






「合鍵返しにきたの?ありがとう」





小さな声で言った亮さんは右手を私の前に差し出して合鍵を催促する。


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