うさ耳付きパーカーの君
帰 り み ち(1/12)


運動部も部活が終わったのかぞろぞろと帰宅する生徒達。


みんな偉いな…
こんな遅くまで頑張っているなんて。


私には目標も夢もない。

だから目標に向かって頑張っている人に憧れている。




「千歳ちゃん、お待たせ!」


振り替えると愛用のうさ耳付きパーカーを着ている皆川くんがいた。


「ううん、全然待ってないよ!」



職員室に向かって5分もしないで私の前に現れた皆川くんの額には汗が流れていた。


私の為に走ってきてくれたんだね。



「じゃあ、家まで送るよ!俺の愛車で。」


えっへんと言わんばかり連れて来られたのは駐輪場。


沢山ある自転車も残りわずかですぐに皆川くんの自転車を見つけた。


自転車のかごにはウサギのぬいぐるみが入っている。



それをじーっと見ていると皆川くんが私をふわっと持ち上げた。



「え、え?」


何が起きたのか分からずに混乱する私。




「後ろにお乗りください。」


すとんっと自転車の後ろに私を乗せて皆川くんは前に座った。

- 24 -

前n[*][#]次n
⇒しおり挿入
/281 n
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[編集]
[←戻る]