うさ耳付きパーカーの君
 本 編 

出 席 番 号(1/13)

「ちー、入学式に行くよ!」


「はーい。」


私は南千歳(みなみちとせ)。

小さい頃からちーと呼ばれています。



今日は私達の高校の入学式。

中学時代は先生に「お前の頭じゃ絶対に無理。」と言われ悔しくて悔しくて勉強を頑張った。

そのお陰で無事に合格通知を貰った。


真新しい制服に袖を通して慣れないネクタイに苦戦しながらも何とか入学式の準備が出来た。



「美華ちゃん、お待たせ。」

玄関に着いて私はローファーを履く。




「本当にちーは高校生になってもマイペースね。」


美華ちゃんこと宮下美華(みやしたみか)ちゃんは中学時代に仲良くなって高校も二人揃って合格した。


私のお姉ちゃん的存在でしっかり者。



「ご、ごめんね。」


「ほら、行くよ。」



歩くのが遅い私のペースに合わせてくれる美華ちゃん。


こういう優しい所に甘えちゃうんです。

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