アルバイト

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−7月8日− (1/10)

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辺り一面、黒、黒、黒……

ベッドに仰向けに寝転がり、ため息を吐いた。


ルッシュはたまに遊びに来てくれるけど、忙しいみたいですぐ帰ってしまう。

――暇だ。


壁に掛けられたデジタル時計は、7月8日の午前10時40分を表示している。


軽い軟禁状態が始まって5日にもなると、マイナス思考かつネガティブになってくる。

手の甲の赤い十字架が広がって、俺を飲み込むんじゃないかとか。

想像力豊かだから、途方もないこと考えるんだよ。


でもルッシュの情報によると、スカールは7日の10時にやって来る予定だったらしい。

もう1日と40分が過ぎました、スカール兄さん。


また一つため息を洩らしたところで、本日初めての来客。

ノックは……3回!


「遅ぇっ!」
「うぼっ!?」


力任せにドアを押し開けると、案の定、鼻っ面を擦るスカールがいた。

俺の見間違いでなければ、若干涙目になっている。

そしてこめかみに青筋を立てて――…


「人が折角迎えに来てやったってのに、何だその態度はァ!!」


怒鳴った。

もうスカール・単細胞・アイアンと呼んでもいいだろうか。


だがその最もな提案は、目の前の単細胞ヤクザが懐に手を突っ込んだところで呆気なく退いた。




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