太陽とかすみ草
◎[負けない気持ち](1/7)



「ラブラブでなによりですねっ
あ〜あたしも彼氏欲しいなぁ〜〜〜」


あたしのノロケ話しに麻衣はつまらなそうに言った。

でもこれも麻衣のおかげ。

いつもありがとう。


「そういえば」


麻衣は何か思い出したようだ。


「光のこと、星野に何も言わなくていいの?」


上野さんのことは気にならないわけがない。

でも…


「うん、いいの。」


星野くんに上野さんのことを言うわけにはいかない。

あたしが星野くんに上野さんのことを言うのは違うと思うから…

それにこれはどちらかといえば、あたしと上野さんの闘いなのだ。


「星野くんには何も言わないで」


あたしの何かしらの思いが伝わったのか、麻衣は分かったと言ってそれ以上上野さんの話しをしなかった。

そうは思っていても、あれからも何回か星野くんと上野さんが一緒にいる所を見ると胸がギリギリ音を立てる。

あたしがどんなに化粧をして頑張った所で上野さんの可愛さには敵わない。

上野さんは本当に可愛い顔で笑うんだ。



星野くんが家の用事で先に帰ったある日。

麻衣と二人で下駄箱に行くと、亮佑くんと会って一緒に駅まで行くことになった。

この三人は初めてだ。

星野くんがいないと変な感じ。

他愛もない話しをしていたら、麻衣が亮佑くんに切り出した。


「光って相変わらず星野にベッタリなの?」


麻衣の唐突な質問にあたしはギョっとした。


「ま、麻衣」

「いーじゃん、星野いないんだし。あんただって本当は気になってるんでしょ?」


麻衣様には敵いません…

今の麻衣の言葉で亮佑くんは大体察したようだ。


「気にすることないんじゃない?て言っても平浦は気になるだろうけど」


亮佑くんはいつもの調子で涼しげに言う。



「正直意外だったよ。」



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