太陽とかすみ草
◎[嫉妬](1/8)



うちの学校はA組からF組まで横一列に6クラスあって、A組〜C組、D組〜F組の間に踊り場があり、両はじに階段とトイレがある。

教室の前は吹き抜けになっていて、向かい側に授業でたまに使う教室や資料室やいつ使うのかよく分からない空き部屋があった。

星野くんはA組で、あたしはF組。

つまりはじとはじのクラス。

あたしは知らないクラスに行く勇気なんかないし、行かなくてもいつも星野くんが来てくれるから行く必要もなかった。

真ん中の踊り場の所にも階段があるけど、F組のあたしは真ん中の階段を使うこともなかった。

だから知らなかったんだ。



先生に頼まれてA組側にある資料室に行くのに踊り場を通った時。

踊り場で休み時間を過ごしている人の中に星野くんと



知らない女の子がいた。



髪の毛を明るく染めたショートヘアの背が小さい活発そうな女の子。


二人は楽しそうに笑ってる。


胸がざわついた。


顔は強張り、二人を直視できない。


だけど視界にしっかり二人を捉えていた。


別に聞きたくないのに神経はそちら側に集中して少し二人の会話が聞こえてしまった。



「太陽ちょっと頭プリンになってきてるよー!」

「だーもぅいいの!猿の毛づくろいみたいだからやめれ(笑)」



止まりそうになった足を無理矢理前に進め、足早にその場を去った。

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