太陽とかすみ草
◎[星野くんは宇宙人](1/5)



そう、その声の主は



星野くん。



「何やってんの?」


つかつかと教室に入ってあたしの元へ来る。


「あ…これ…先生に頼まれて…」

「え〜一人??」

「うん…」

「じゃあ俺手伝ってあげる♪」


そう言って星野くんはあたしの前の席に鞄を置き、ドカっと座った。


「これホチキスでとめんの?」

「うん…」

「じゃあ俺2枚1組にするから平浦さんとめてって?」

「うん…」



カシャン カシャン カシャン



会話がないよー!!!!

しかも近い!!

距離が近い!!

昨日は開放的な広い空間に麻衣も亮佑くんもいたけど、今は狭い教室に星野くんと2人!!

無理無理無理無理無理



「平浦さん?」

「は、はひっ!?」


ぐるぐると一人で今の状況を考えていたら急に話し掛けられ声が裏返ってしまった(恥)

星野くんはビックリした顔をしたあと、ぷはっと笑い出した。


「何??どうしたの??」


まだ星野くんは笑ってる…


「ご…ごめんなさい…あたし男の子と2人きりでいるの初めてで…き…緊張してるの…」

「はぁ?俺に?」

「うん…」

「え〜〜〜!平浦さん可愛いね」


ぶぁっと自分の顔が熱くなるのが分かる。

だって、男の人に可愛いなんて言われたの初めて…!!


「わぁ!?平浦さん耳まで赤いよ!?」


そう言われると余計に赤くなってく。

あたしは恥ずかしくて両手で頬を隠した。

ヤダヤダヤダ!!

どうしよう!?


「あ、ごめん。こんなこと言ったらダメだな。あ〜俺ってこゆとこがデリカシーないって言われんだ」


ガックシ肩を落とす星野くん。


「や…いいの、ごめんね、気にしないで!あたしが悪いの…困らせてごめんね」

「いや、今のは俺が悪かった。ごめん」

「ううん、星野くんのせいじゃないから!本当にごめんなさい」

「いーやごめん俺ごめん」



…ぷっ



あははははは!!

二人して笑い出した。


「俺らなんで謝り合ってんだろーね」

「てゆうか星野くん最後のなにー!?意味わかんないんだけど!!」


二人の笑い声はしばらく誰もいない教室に響いてた。

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