太陽とかすみ草
◎[出会いは突然に](1/1)



君との出会いは突然やってきた。

というより君が突然やってきた(笑)



3年生になってから数日後。

ある昼休み。

教室の入口で中をキョロキョロ見ている男の子。

身長は170cmあるかないかくらいの、どちらかといえば細身で、なにより金髪に近い少し短めの髪の毛を逆立てているよく目立つ男の子。

あたしでも名前は知ってる。

星野太陽くんだ。

同じ学年で友達じゃない人なんていないんじゃないかと思うくらい誰とでも仲が良い。

まぁ男友達がいないあたしは話したことないけど…

星野くんに背中を向けて座っていた麻衣があたしの視線に気づき、後ろを振り返った。


「あ。星野だ。」

「友達なの?」

「1年の時同じクラスだったんだよね」


あたしと麻衣は2年の時同じクラスになって友達になったんだ。

麻衣と星野くん…

すぐ友達になれそう(笑)


「あいつ何やってんだろ?」


じっと見ていたあたしとキョロキョロする星野くんの目が合い、あっと思った瞬間彼はニカッと笑った(!!)

そして教室に入りあたしたちの方に向かってくる。


「平浦さん??」

「はい!?」


あ、あたし!?


「俺、星野太陽☆A組のクラス委員だよ!クラス委員の中で知らないの平浦さんだけだったから、あいさつしにきました!」


そう、初日のHRでぼーっと外を見ていたあたしに先生がクラス委員を命じたのだ。

ニコニコしながらあいさつをしにきてくれたらしい星野くんをあたしはポカーンと見てた。


「これからよろしくね!!」


そんなあたしに気にもせず、星野くんは満面の笑みで右手を差し出した。


「あ、平浦かすみです…」


つられてあたしも自己紹介をし、星野くんと握手をした。

すると星野くんはブンブンと握手した手を振り、


「とりあえず今日はあいさつしにきただけだから!平浦さん、また明日ね!」


あたしはなにが起きたのかよく分からず、はぁ、とだけ返事をしてクラスの色んな人に声をかけて去って行く彼の後ろ姿を見送った。

そんな様子を向かいで見ていた麻衣がクックックッと笑っている。


「あんたの顔!!(笑)」

「嵐みたい…」

「ああゆうヤツだからさ、気にしないで(笑)1年の時先生に高校での目標聞かれて真剣に友達100人って言った男だから(笑)」


小学生か!!


と心の中で突っ込んだ。

クラス委員たってそんなに他のクラスと関わることはないのに…

律儀…なのか…?

あまりに突然の出来事に、星野くんが言ったことなんか全く耳に入ってなかったけど、彼は確かに言ってたんだ。


“また明日ね!”



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