Mother

[彼女](1/9)



「学ラン脱いで。

傷…、良かったら見せてくれる?」



楓は少し躊躇しながら言った。


知っているなら…。


一瞬ためらったが尉を決して学ランとシャツを脱いだ。

久しぶりに日の目をみた俺の背中…。


暖かい日差しが背中を温める。


「1…、2…、3…、、、。」


楓は傷を一本一本指でなぞりながら傷を数えた。


そして不意に背中に水滴が落ちるのを感じた。




「辛かったね…。」



顔をくしゃくしゃにして

楓は泣いていた。

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