オキュパイド・アース
◆4[奨学生友の会](1/13)
・
日本国が有する三番目のコロニー【中京】は、
総人口15万人の中堅コロニーでありながら、
地球軌道上や月面・月軌道に無数に点在する工業施設の中で、
1、2を争う生産力を持ったコロニーである。
もちろん、人口比率において、労働者人口だけがと出した様な「いびつ」な世界を構築してはおらず、
労働者家族や一般の企業人、民間人などの比率も調整・構成された、
バランスの取れた都市と言っても良い。
西暦2415年、季節は初夏の7月。
コロニー環境に対して、国民投票で【四季】を導入した日本国。
コロニー内居住区の気温は高く、衣替えも終わり、街は薄着の人々で溢れ、
「スカイモニター」では透き通る真っ青な青空が広がる時期の事。
コロニー3【中京】の一角に設立された、市立四日市東高等学校。
全校生徒合わせて、約250名程度の中規模学校の、一年二組。
ここから、今回の物語は始まる。
ある日の放課後
「本日の授業」が終わったばかりの教室で、クラスの生徒達ほとんどが教室に残ったまま、
明日行われる社会科見学の内容について、
ワイワイ、キャッキャッと、かしましくも雑談に花を咲かせていた。
その中には、国連軌道宇宙軍の奨学コースを進む4人、
ムナカタ・カオルやショーン・カザマ。ミカ・カートライトやエレノア・シグニスの姿もあった。
ただ、この4人。
周囲のクラスメイトは社会科見学の話題が中心になっているのに対して、
一週間後に控えた教育実習…つまり、
教育実習船【リスキー・ビスキー】に乗船する、
二週間の実習航海について、楽しげに話し合っていたのだ。
ミカ「あの操舵室、ホンッと狭いけどカッコイイよね♪
昔映画で見た…そう、潜水艦!潜水艦の中みたいで」
ショーン「大気圏内で飛行出来るって言ったって、基本は航宙艦だからね。
密閉構造の船は、窓なんてほとんど無いよ」
ミカ「じゃあ、軌道フリゲート艦もあんな感じなのかな?」
カオル「…人間の視力に頼らざるを得ない作業って、そうそう無いから同じなんじゃ?、
PEEVAだってカメラモニター基本だから、窓なんて無いよ」
エレノア「視認作業なんてドッキングくらいじゃないの?」
喧々囂々と語り合う4人、
その時、軽快な音を立てながら、勢い良く教室の扉が開く。
続く
- 62 -
前n[*]|[#]次n
⇒しおり挿入
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[編集]
[←戻る]