マジック・ワールド
[思惑の渦](1/30)
ー真冬の凍える日。
事態は突如急変する。
「なんだと…!」
「…命令です。抗えばどうなるか…貴方様なら分かっておりますでしょう。…それでは。」
学長室を訪れた者は手紙と少量の言葉を残し、去っていった。
ーその数時間後。
私は学園長に呼び出された。
「…おぬし宛ての手紙だ。」
その表情から察するのは…嫌な予感。
それもとても複雑なもの。
手紙を受け取り、封を開く。
手紙を書いた主人は…
「バルノーゼム……国…王…。」
この国の最高権力者だった。
『貴殿の力は国の最高峰クラスに匹敵する。
…よって、国の防衛戦闘員に任命する……』
「国を守る兵器になれと言っているようなものだ。こんなこと…誰が望んで受けると言うのだ…。」
…国王直々の執筆。
完全に気付いてるのだろうか?
私の存在を。
「…拒否します。」
「!?」
「誰かの言いなりになんて嫌です。
どこまで勘づかれているのは分かりませんが…私の自由を奪われるくらいなら、拒否します。」
「…それは我が主が許しませぬ。」
背後から声が聞こえた。
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