マジック・ワールド
[守護者と王](40/40)
『最近、森へ侵入する人間が多くなっている。』
ある程度、元気を取り戻したサーシャが私たちにそう話す。
『守護者サーシャよ。この地を隠すためとはいえ膨大な魔力を使うのは…』
竜王ドラグの心配の声に、
『しかし…森を越えられてはドラゴンの里も危険です。厳重にしておかなければいずれは…』
『………。』
ドラグもラキも黙り込んでしまった。
今までドラゴンは人間の敵でしかなかった。
しかしあるとき。
貴族がドラゴンを狩る対象にしたため、 ドラゴンはその数を減らした。
人間たちは今でこそドラゴンを保護の対象にしてるけど…
ドラゴンの密猟はなくならない。
ドラゴンたちの居場所を守るためにサーシャはひとりで森を守り続けているんだ。
『リラン?どうかしたか?』
「サーシャ。ドラグ。ラキ。…私はこの地に足を踏み入れた数少ない人間です。
だからこれは勝手な考えだけど…私にもこの地を守る義務があると思うんです。」
『!』
「私にもこの地を守らせてほしい。私が信頼できる人間と認識しているのなら。」
なんでこんなこと言い出したのかはっきり言って分からない。
でも…
心の底から彼らの助けがしたい。
そう強く望んでいた。
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