マジック・ワールド
[つなぐために](1/13)
試験が終わったある日のHR(ホームルーム)。
担任の薫先生がとーってもニコニコしながら教室に入ってきた。手には大量の紙がある。
この瞬間、クラス全員が悟った。
試験の結果が返ってくるのだと。
「はい、さっそく試験結果を返しますね!」
先生がパッと手をかざすと頭上から採点結果が降ってきた。でも、私は紙一枚に対して周りを見渡すと机にこんもり紙の山ができてる子もいた。
…すごく嫌な予感がするのは私だけ?
ゆっくり紙をひっくり返すと…
「………。」
…これ、夢じゃないよね?
目をこすっても書いてある点数は変わらないし…。
「よく頑張ったね。」
背後から薫先生の声がした。ぱっと振り返ると先生は私にウインクしていた。
先生はそのまま話を進めた。
「えーっと、採点結果に異論がある人は明日までに担当の先生に直談判してきてください。明後日から夏季休業ですので、学園の外に出る許可がおります。
ですが…試験結果が悪かった人たちには以前にも話しましたが、補習がついてきますので…か・ん・が・え・て、行動してくださいね…?」
先生の口調とクラスメイトたちの机の状態から察するに、このクラスは相当頭が悪い…みたい。
自分の座席でそうひとりでに考えていた。
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