マジック・ワールド
[上空にて](2/4)
『俺のことも知らない?』
「し、知ってるわけないでしょ!?初めて会ってすぐ、そんなこと言われても分からな……!」
杖と話していた時、急に頭が痛くなった。
そして……
「…今日からあなたは私の杖よ!」
幼い頃の私が今、目の前にいる杖を握りしめている。(どういうこと?こんな記憶なんてないはず。なのに……ひどく懐かしい。)
「えーっと、名前は…そうだ!クローバーにしよう!いろんな人に幸せを与えることができるお花の名前だよ。ね、いいでしょ!」
…ここで映像は途絶えた。
「っ……!」
ひどい頭痛が私を襲う。
「い、今のは…」
『大丈夫か?』
杖は優しく声をかけてくれる。戸惑いながら私は…
「クローバー…なの?」
と、聞く。
『!』
「さっき、幼い頃の私があなたを握りしめてる風景を見たの。でも、そんなこと記憶にない。」
『リラン…。』
「でも、ひどく懐かしい感じがした。この風景も現実にあるんじゃないかって思えるほど。」
『…今のはあなたの記憶よ、リラン。』
そこに現れたのは、ミリアだった。
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