マジック・ワールド
[気がかり](1/1)
部屋に入って荷物を置き、教室に向かう間、陰口が聞こえてくる。すでに私がダメ人間だって気づかれているみたい。


「あの子がそうなの?」「案外かわいいのにねー。」「まぁ、逆にいじめやすそうじゃん。」

心無い言葉が私に刺さる。


今までと変わらない。

私はただ耐えるだけだ。


これまで仲良くなった友達らしい人なんて限られている。でも、たまに耐えきれなくて泣きじゃくる。その繰り返し。私にはそうするしか方法がなかったから。

魔水晶さえ手に入れば。きっと私もみんなと同等になれるはずだ。

入学式のため、式典会場に入る。

上級生も参加していた。


いよいよメインイベントが始まる。


「これより、魔水晶授与を行います。」


わあああ!と盛り上がる会場。

それもそのはず。


魔水晶とは私たちが魔法を使うときにコントロールをしてくれる。魔法使いたちにとって、とても重要なアイテムなのだ。

これは高等部まで進学しないと受け取ることが許されていない。

私が求めていたものは魔水晶。
これは個人に合った水晶を作り出す特別な道具を使うため、私も手に入れば魔法が使えるようになる可能性があるの。


今まで頑張ってきたのはこの日のため。

これに賭けないと私は生きてこれなかった。
だから、なんとしても手にしたい。
 

一人ずつ壇上に上がり、魔水晶を受け取っていく。

そしていよいよ、私の番。名前を呼ばれて席を立つ。

歩いて向かうときそっと首にかけていたペンダントを握る。小さい頃から身につけているものでかけているとなぜか落ち着くんだ。


壇上には学園長がいた。

「さあ、手を。」

その声に導かれ私は手をかざした。


出てきてくれる。そう信じて。



魔水晶は出てこなかった。



「なんで?」

何度やっても同じで。

会場全体がどよめく。私は力無く手を下ろした。


目の前が真っ暗になる。

私に魔法を使う権利はないの?
ここまで頑張ってもダメなの?


心の中で自分を責めた。もう、諦めよう。そう思ったときだ。


〜まだ、時期ではないだけだ。落胆するところではない。〜


「え?」

今の声は確かに学園長のもの。

でも、口は動いていない。


「あの、どういう意味

私が喋ろうとすると学園長は優しく微笑むだけだった。


私は入学早々に大きな気がかりを持ってしまった気がする。








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