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花火を見に行った後、これといって俺と恩田に変化はなくて、普段通りにご飯食べに行ったり家に泊まったりしている。
変に気を使わせないように
してくれてるのかな。
朝海は出張だと言っていて、あまり会ってない。
もう前のように彼女さんの話を聞いて辛くなるようなことが無くなった。
俺はきっと痛みになれてしまった。
゛来週帰るから、それくらいに家きて゛
手首に残る、薄くなった痣を無意識に撫でていた。
もう、やめたい。
こんなこと。虚しいだけで何も良いことなんてない。
俺は、普通に友達に戻りたいよ。
キリキリと痛む胃を押さえて、塾へと向かう準備をした。