凍える夜明け
[瞳の先](1/14)




同窓会の真最中。


「あ、佐田じゃーん!久しぶり!」

「…あ、ひさし、ぶり」



元のクラスメイトたちは、高校の時にはそんなに話しかけてこなかったのに今は前から仲が良かったみたいに話しかけてくる。



嬉しいことには変わりはないんだけど、なんかこう、もやっとする。




「あれ、恩田は?」


「あっちにいるよ、」



まあ、たいていの人は俺というよりも恩田に用があるみたいだけど。



「佐田、塾の先生だっけ?」


「そうだよ、明日からまた授業…休みが無くなる…」


「まあ受験までもうすぐだもんな」


いま隣にいるのは高校のときの数少ない友達の矢野と水森。


「あ、あれ恩田の元カノだ」



矢野が恩田から少し離れたところにいる女の人を顎でしゃくる。




…あ、三橋さんか。


恩田がこないだ言っていた元カノ。






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