永久の契り
[好きの代償](1/15)
幸「ねぇ、あかね?」



月が雲に隠れるように



覚束ない表情をした幸





彼女は縁側に座っていた私の横に腰掛けた。





幸「茜は剣道やってたって言ってたよね?」




茜「うん。小さい頃にね」







幸「それって本当は今も続けてるんじゃないの…?」






茜「どうしてそう思うの?」




幸「斉藤さんが言ってた。


あんな試合は努力を続けてないと出来ないって



本当は平成でも、ここに来てからも稽古してたんでしょ?」






茜「うん、してたよ。」



幸(どうしてそんな淡々としてるの?)



「なんで今まで黙ってたの…」




幸の声が小さくなる






茜「私は影として生きる人間だから。」





幸「どう…いう、こ、と?」







茜「それで、


幸は何の用事?」





幸「え?」





茜「そんなこと話に来たんじゃないでしょ」





何故なのか分からない



だけど彼女は私たちのことをいち早く理解してくれる。





だから今から話すことだって



茜は薄々気づいてるんでしょ?




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