女の友情ゲーム
パーティー(1/15)
突然の殺人鬼の登場で、ウチは絶望していた。
沙希を握る手はいっそう強まったと思う。
死を覚悟したのだ。
春香は颯爽と逃走した。
残されたウチと沙希に寄ってくる殺人鬼。
こんなにも恐怖を感じたことは初めてだ。
“死”というものに恐怖していた。
反撃する。
いつものウチならそう行動していただろう。
だけど恐怖でなにもできない。
体が動かない。
殺人鬼は目の前に来ると、沙希に近づいた。
そして耳元で何かをつぶやいた。
用件を終えると春香を追いかけるように走り出した。
殺されなかった。
緊張が解けて、体からスーッと力が抜けた。
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