据え膳食わぬは男の恥
[両手に花](1/19)
「僕の前でいちゃつくなんて、ムカつきます」


縛り上げられているのに真世は強気だ。


「見せつけてんだよガキんちょ、空気読め」


佐伯さんは真世に一喝すると、俺から離れてベッド近くに落ちている真世のスマホを拾い上げて、中身をチェック。


「すげえなエロガキのコレクション」


そう言いながらスライドさせている。


「仁の分は全部消させて貰うからな」


そう言いながら佐伯さんは自分の携帯も取り出し、何かやっている。


まさか……とは思うけど。


「何してんですか?」


「うん?消す前に仁の写メは全部俺のに送る」


聞いてみたら案の定、考えてた通りだった。


「ちょ、消して!全部消せよエロ佐伯」


もうぅ、信じられない!

「やだよ、こんなに可愛いのにさ」


佐伯さんは全部送ったらしく写メを消した。


真世は止めろとは騒がなかったなあ。なんて考えながら佐伯さんを睨む。

写メを消せよと目で訴える。


「さてと、後は」


佐伯さんはベッド付近をゴソゴソと家捜し始めて、


「やっぱカメラあったな」


と小型カメラを見つけ出した。


ええっ、ちょっと!マジ?!


だから真世は写メ消されても何も言わなかったんだ!

ベッド付近のノートパソコンもカメラが付いてて、他にも数台。


なんてガキだ。


「とりあえずはコレだけかな?」


縛り上げられた真世の前にカメラもろもろを置く。


ぷいと横を向いてふてくされている真世。


「中身は全部押収ね。」


ニヤニヤする佐伯さん。

「もう!消して下さいよね!」


そう叫んだ所で佐伯さん消してくれないだろうなあ。


「真世、仁を襲ったの腹いせだろ?」


佐伯さんの言葉にきょとん。


「仁が可愛いとかじゃなくて、ノブが仁を好きだからレイプしようとしたんだろ?」


「えっ?」


えっ?えっ?何それ?


さらにきょとんとなる俺。


「仁が万が一、ノブのモノになれば真世はノブに捨てられるって思って、そうならないように自分で食って近寄らせなくするのが本当の目的………だろ?」


真世は横を向いたまま何も言わない。




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