わたしのはなし。



森の中の住人【1/2】



隣町の森の中に、住人がいるという。
その森は誰も怖くて近付けない。
一歩踏み出すと、二度とは戻れない神隠しの森なのだ。
だから住人も誰も見たことはない。

ある日、隣町に小鳥のさえずりコンサートを聴きに行った。
そのときたまたま森の近くを通りがかったのだが、かすかに森の奥が明るく光っている。

“誰かいるのか”

その光に吸い込まれるように、森の中に入ってしまった。
奥へ進んで行くと同時に、光も奥へ進んで行く。
光事態が自分の意志で歩いているようだ。
速歩きをして追い付こうとする。
追い付くころには目を疑った。
ランプが足を生やして歩いているではないか。
それに気づいたころには、小さな小屋の前にいた。
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