七駅目(1/10)
嵯峨くんの部屋はすぐに分かった。
何せ
「しいちゃんのお部屋…。」
“しいちゃんのお部屋”と書かれた看板がドアに。
しいちゃんて。
半笑いで彼を見た。
ぐったりとした嵯峨くんを見て慌てて、気を引き締める。
頭の中では”くくく…しいちゃん…くくっ、ぎゃーはっはっはっは!しいちゃんて!しいちゃんて!“状態だったけど。
ドアを開けると
何とも殺風景な嵯峨くんらしい部屋。
全体は黒と白を基調としていて、焦げ茶色のフローリングがまるでモデルハウスみたいだ。
「よいっしょぉ!」
ベッドに嵯峨くんを寝かせる。
又の表現を放り投げる。
言葉もなく苦しそうに息をする嵯峨くん。
薬飲んだのかな?
部屋の中には見当たらない。
水分を取らなきゃ!
勝手に悪いけれど一階のキッチンに向かった。