一駅目(1/19)
「スマ子。」
嵯峨くんとお付き合いするようになってから一週間。
「スマ子だ。」
私の日常は大きく変わってしまった。
「スマ子、頑張れよ。」
見知らぬ人から“スマ子”と呼ばれ、励まされたり罵られたりする事が増えた。
「スマ子って久しぶりに聞いた。」
懐かしむように笑うソナ。
幼稚園から一緒のソナはそんな私の黒歴史を知っている。
「やめてよ、ソナまで。」
「スマ子ぉ!」
バシッと見知らぬ派手男子に後ろから頭を叩かれた。
「いてっ!」
「別れたら俺と付き合おうぜぇ!ぎゃっはっはっは!」
ぎゃっはっはっはって。
「友達?」
分かりきったことを聞くソナを軽く睨んだ。