隣の家の小野くん 1/13
(あ……。)
家に帰ると、たまたま隣の住人に会った。
安い四室しかないアパートの二階。
住んでいるのは私と彼。
コンビニ袋を片手に今まさにドアを開ける瞬間だった彼は、同じく私に気付いてペコリと頭を下げた。
紫のネックウォーマー。
彼はそれを口が隠すように被っている。
私も軽く会釈をすると、彼はカチャリと鍵を開けて自分の部屋に入って行く。
彼の名前は小野くん。
この前、宅配業者が「小野修司さんですか?」と聞いていた。
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